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ここで紹介するBotたちには、3つのグループがあります。
まずは、それぞれの紹介を。
和時計時報――江戸時代風の時報(明六つとか、暮六つとか)のタイミングにあわせて、「二十四節気」「雑節」「七十二候」をつぶやくボットです。
そのほかにも、日の出・日の入り・月の出・月の入りもツイートしております。
しかし、和時計の時報といえば、不定時法。夜明けと日暮れが基準なので、地域でかなりの違いがあります。
そこで、日本全国の19の地域にBotを配置しております。
節気さんの具体的な動きは、Bot (節気さん)の動き方 をご覧ください
月齢・月相・輝面比といった、そのときの「月」の様子をツイートします。
ツイートするタイミングによって、「月齢君」、「月齢君・カウントダウン」そして、「月齢君・ぴったり」の3つのBotがあります。
日の出君シリーズは、「日本の19地域」「日本の50地域」「世界の50地域」の日の出・日の入りをリアルタイムでツイートします。
月の出君シリーズは、同じく、月の出・月の入りをリアルタイムでツイートします。
それでは、それぞれの詳細をご紹介いたします。
月齢君は、3種類あります。ツイートする内容は同じもので、タイミングが異なります。
午前と午後の、0時(12時)・3時・5時・6時・7時・9時・10時に月相・月齢・輝面比・月の名前をつぶやきます。
こちらは、定時ではなく、「上弦・下弦・朔・望」の
前が、72時間・48時間・36時間・30時間・24時間・18時間・12時間・6時間・3時間・2時間・1時間・30分・15分・10分・5分・1分前
そして、その瞬間。
さらに、6時間・12時間・18時間・24時間後
です。
月齢が、0.1 のきざみに達したときにツイートします。
朔(新月)の瞬間、月齢 0.10、月齢 0.20 ... というタイミングです。
この後、日の出君や、月の出君の紹介をさせていただきます。
ただ、この、「50地域の〜」は、「19地域の〜」を包含しております。そういうわけで、19地域と、50地域の両方をフォローしていただくのは、無駄ですので、これ、ひとこと追記させていただきます。
50地域と、19地域はいずれも日本を取り扱っています。
そんなわけで、日の出にしても日の入りにしても(ついでに、月の出にしても月の入りにしても)最大でも2時間くらいの間に集中します。
ですから、50地域は、みていて壮観ではありますが、そこそこうっとうしいです。
逆に、19地域はもしかしたら、物足りないかもしれません。
そのために、19地域と50地域が存在しますので、両方同時のフォローは、ちょっとむだかなと、そう思うわけです。
和時計時報たちと関連して、各地の、日の出・日の入のタイミングで、つぶやくボットです。
このボットは、一人で、上記の、19の地域の日の出・日の入をつぶやきます。
このたび、「世界の日の出君」として、世界の各都市の日の出・日の入りをつぶやく Bot が加わりました
日の出君たちとそれぞれペアの形で、「月の出君」が登場しました。
カブール(アフガニスタン) | プノンペン(カンボジア) | 香港(中国) | コルカタ(インド・北回帰線上) | テヘラン(イラン・カスピ海の南) |
バグダッド(イラク) | エルサレム(イスラエル) | 東京(日本) | ソウル(韓国) | ポンティアナ(インドネシア・赤道直下) |
マニラ(フィリピン) | モスクワ(ロシア) | キエフ(ウクライナ) | ブリュッセル(ベルギー) | パリ(フランス) |
アテネ(ギリシャ) | ローマ(イタリア) | ケープタウン(南アフリカ・アフリカ大陸南端) | オタワ(カナダ・東海岸) | バンクーバー(カナダ・西海岸) |
ニューヨーク(アメリカ・東海岸) | ロサンゼルス(アメリカ・西海岸) | ブエノスアイレス(アルゼンチン) | リオデジャネイロ(アルゼンチン・南回帰線上) | シドニー(オーストラリア) |
オークランド(ニュージーランド) | ロンドン(イギリス) | ホノルル(アメリカ・ハワイ) | カイロ(エジプト) | ダカール(セネガル・アフリカ大陸西端) |
リマ(ペルー) | ウスワイア(アルゼンチン・世界最南端の都市) | ラパ・ヌイ(チリ・イースター島) | ハンメルフェスト(ノルウェー・世界最北端の都市) | キャベンディッシュ(カナダ・アンのふるさと) |
ナイロビ(ケニア) | アンカレジ(アメリカ・アラスカ州) | キングストン(ジャマイカ・カリブに浮かぶ) | 昭和基地(南極大陸) | レイキャビク(アイスランド・世界最北の首都) |
ノルドヴィク(ロシア・シベリア北部の都市) | ミレニアム島(キリバス・世界の東の端) | ロカ岬(ポルトガル・ユーラシア大陸西端) | イルクーツク(ロシア・バイカル湖西岸) | アッツ島(アメリカ・アリューシャン列島・世界の西の端) |
ついでに、不定時法の話など、ちょっと書いてみます
さて、二十四節気の時期を決めたり、それを、和時計のタイミングでつぶやいたりと、実際にはそれなりの「天文学的な計算」が必要となります。
当然、Bot の中でこういう計算を――しています。
ただ、自分で「開発」したものはほとんどなく、おおよそ、ほかの方の成果の上になりたっています。
まさに、トップページにあるように、「他人のふんどしも洗えばはける」というスタンスです。
以下にそれぞれ紹介させていただきます。
もっとも基本となる、二十四節気の決定は、下記の『日の出・日の入りの計算』をもとに、その日の黄経から判断しています。
以前は、国立天文台 の、暦要項 のデータをそのまま使用していたのですが、Bot の中で計算する形に変更しました。
それなりにチェックはしていますが、もしかしたら、1日ずれるという事態も発生するかもしれません。
Bot 内部の天文計算は、『日の出・日の入りの計算』(長沢工著,地人書館)の記述をベースに行っています。
必要な時刻における、太陽の黄経・黄緯を算出し、赤経・赤緯への変換、地方恒星時と時角の計算、太陽の高度への変換、そして、太陽の高度が、日の出・日の入りの基準高度となる時刻を求めています
ただ、日の出・日の入りの基準高度は、ゼロ(地平線と一致)ではなく、太陽の見かけの大きさや、実際の位置より浮き上がって見える現象などを考慮して、太陽の中心が、地平線下、約、0.9度の位置に来たときになっています。
見かけの大きさを考慮しなければならないのは、日の出・日の入りは(太陽の中心ではなく)太陽の上端が地平線にかかったときとなっているからです。
具体的な、プログラムは、日の出・日の入り(+月の出・月の入り)のプログラム by C++で紹介しております。
以前は、『新こよみ便利帳 ver 1.2』(暦計算研究会編・恒星社厚生閣)に掲載された、日の出・日の入算出プログラムを、C++ に書き直したものを使用していました。
これも、併せて紹介しております。
これに加えて、和時計時報を得るためには、夜明け(明六つ)と日暮れ(暮六つ)の時刻が必要となります。
この計算も、上記のプログラムに含んでいます。
こちらは、「太陽の中心位置が地平線の下側、7度21分40秒に達した時」という定義で、そのままの角度で計算しています
節気さんシリーズのボットは、月に関して、「月齢」と「月相」をつぶやきます。
この数字は、いずれも、朔(新月の瞬間)を基準にしていますが、数字の意味が異なります。
月齢は、朔の瞬間からの経過日数を数えたもの。これに対して、月相は、朔の瞬間を0として、月と太陽の位置関係(角度で、0〜360度)を、28周期に変換したものです。
このため、月の形を直接反映するのは、月相の方になります。
いずれにしても、月と太陽の位置関係を知ることがポイントになります。
これも、前述の、『日の出・日の入りの計算』による位置算出に切り替えました。
ただし、「ただいま朔(新月)です」など、つぶやくタイミングは、国立天文台の発表データを使用しています。
今では、天文学的に定義されている、夏至・冬至ですが、一般に知られているように、夏至=昼間(日の出から日の入りまでの時間)が最も長い日、そして、冬至は、それが最も短い日というのは、間違いではありません
ただ、夏至=日の出が一番早い日、冬至=日の出が一番遅い日、あるいは、夏至=日の入が一番遅い日、冬至=日の入が一番早い日、と思われがちですが、実は、これは間違っています。
上の図は、東京における、夜明け・日の出・日の入・日暮れを、年間でグラフにしたものです。
あと、ついでなので、19地域分をまとめたグラフも準備しました。
各地の日の出グラフ
各地の日の入りグラフ
各地の日の入・日の入りグラフ
です。
さて、この図でわかるように、日の出が最も早い/遅い日は、夏至・冬至からずれています。また、日の入についても同じです。
よく見ると、12月の始めがもっとも日の入が早い頃で、秋の終わりは、冬至の頃と同じような時刻に日の入りになることがわかります。
なるほど、「秋の日はつるべ落とし」です。
一方で、冬至からそれほど間のない、年始の頃は、10月始め頃と同じような時刻に日の入りがあります。
よく、「年が明けると、昼が長くなる(実感としては、日暮れが遅くなる)」というのも、実情にあっているわけです。
ここでご紹介している Bot たちは朝夕に、「明六つ・夜明け」「暮六つ・日暮れ」という表現をつぶやきます。一見、「日の出」「日の入り」の時刻をつぶやいているようですが、実は、この時刻は、日の出や日の入りの時刻とは約30分ずれています。
実は、日の入りからもしばらくは空は明るいですし、日の出の前にも空は既に明るくなっています。Botたちがつぶやく、夜明けや日暮れは、この、「明るくなり始めたとき」であり、「暗くなったとき」なのです。
この時刻が、それぞれ、おおむね、日の入りから30分後、日の出前30分に相当します。
国立天文台では、具体的に、太陽の中心が地平線の下側、7度21分40秒に達した時と定義しており、Botたちもこの時刻を基準につぶやいております。
(実際には、その基準で出したデータをもとに時刻計算をしています)