Twitter の Bot たち……は、停止いたします

長い間ご愛顧いただきましたが、「節季さんシリーズ」Bot は、2021年5月30日を以て停止させていただきます。
誠に申し訳ございませんが、ご容赦のほどお願い申し上げます

問い合わせは……

問い合わせなどは、@asano_nagi までお願いします。

Botたちの紹介

ここで紹介するBotたちには、3つのグループがあります。
まずは、それぞれの紹介を。

節気さんシリーズ

和時計時報――江戸時代風の時報(明六つとか、暮六つとか)のタイミングにあわせて、「二十四節気」「雑節」「七十二候」をつぶやくボットです。
そのほかにも、日の出・日の入り・月の出・月の入りもツイートしております。

しかし、和時計の時報といえば、不定時法。夜明けと日暮れが基準なので、地域でかなりの違いがあります。
そこで、日本全国の19の地域にBotを配置しております。 節気さんの具体的な動きは、Bot (節気さん)の動き方 をご覧ください

月齢君シリーズ

月齢・月相・輝面比といった、そのときの「月」の様子をツイートします。
ツイートするタイミングによって、「月齢君」、「月齢君・カウントダウン」そして、「月齢君・ぴったり」の3つのBotがあります。

日の出君シリーズ・月の出君シリーズ

日の出君シリーズは、「日本の19地域」「日本の50地域」「世界の50地域」の日の出・日の入りをリアルタイムでツイートします。
月の出君シリーズは、同じく、月の出・月の入りをリアルタイムでツイートします。

それでは、それぞれの詳細をご紹介いたします。

各地の「節気さん」

月齢君シリーズ

月齢君は、3種類あります。ツイートする内容は同じもので、タイミングが異なります。

月齢君

午前と午後の、0時(12時)・3時・5時・6時・7時・9時・10時に月相・月齢・輝面比・月の名前をつぶやきます。

月齢君・カウントダウン

こちらは、定時ではなく、「上弦・下弦・朔・望」の
前が、72時間・48時間・36時間・30時間・24時間・18時間・12時間・6時間・3時間・2時間・1時間・30分・15分・10分・5分・1分前
そして、その瞬間。
さらに、6時間・12時間・18時間・24時間後
です。

月齢君・ぴったり

月齢が、0.1 のきざみに達したときにツイートします。
朔(新月)の瞬間、月齢 0.10、月齢 0.20 ... というタイミングです。

日の出・日の入り/月の出・月の入り

その前にひとこと

この後、日の出君や、月の出君の紹介をさせていただきます。
ただ、この、「50地域の〜」は、「19地域の〜」を包含しております。そういうわけで、19地域と、50地域の両方をフォローしていただくのは、無駄ですので、これ、ひとこと追記させていただきます。

50地域と、19地域はいずれも日本を取り扱っています。
そんなわけで、日の出にしても日の入りにしても(ついでに、月の出にしても月の入りにしても)最大でも2時間くらいの間に集中します。
ですから、50地域は、みていて壮観ではありますが、そこそこうっとうしいです。
逆に、19地域はもしかしたら、物足りないかもしれません。

そのために、19地域と50地域が存在しますので、両方同時のフォローは、ちょっとむだかなと、そう思うわけです。

日の出君

和時計時報たちと関連して、各地の、日の出・日の入のタイミングで、つぶやくボットです。
このボットは、一人で、上記の、19の地域の日の出・日の入をつぶやきます。
このたび、「世界の日の出君」として、世界の各都市の日の出・日の入りをつぶやく Bot が加わりました

月の出君

日の出君たちとそれぞれペアの形で、「月の出君」が登場しました。

今のところ、世界の都市リストは以下の45カ所です

カブール(アフガニスタン) プノンペン(カンボジア) 香港(中国) コルカタ(インド・北回帰線上) テヘラン(イラン・カスピ海の南)
バグダッド(イラク) エルサレム(イスラエル) 東京(日本) ソウル(韓国) ポンティアナ(インドネシア・赤道直下)
マニラ(フィリピン) モスクワ(ロシア) キエフ(ウクライナ) ブリュッセル(ベルギー) パリ(フランス)
アテネ(ギリシャ) ローマ(イタリア) ケープタウン(南アフリカ・アフリカ大陸南端) オタワ(カナダ・東海岸) バンクーバー(カナダ・西海岸)
ニューヨーク(アメリカ・東海岸) ロサンゼルス(アメリカ・西海岸) ブエノスアイレス(アルゼンチン) リオデジャネイロ(アルゼンチン・南回帰線上) シドニー(オーストラリア)
オークランド(ニュージーランド) ロンドン(イギリス) ホノルル(アメリカ・ハワイ) カイロ(エジプト) ダカール(セネガル・アフリカ大陸西端)
リマ(ペルー) ウスワイア(アルゼンチン・世界最南端の都市) ラパ・ヌイ(チリ・イースター島) ハンメルフェスト(ノルウェー・世界最北端の都市) キャベンディッシュ(カナダ・アンのふるさと)
ナイロビ(ケニア) アンカレジ(アメリカ・アラスカ州) キングストン(ジャマイカ・カリブに浮かぶ) 昭和基地(南極大陸) レイキャビク(アイスランド・世界最北の首都)
ノルドヴィク(ロシア・シベリア北部の都市) ミレニアム島(キリバス・世界の東の端) ロカ岬(ポルトガル・ユーラシア大陸西端) イルクーツク(ロシア・バイカル湖西岸) アッツ島(アメリカ・アリューシャン列島・世界の西の端)

和時計時報に関わる、ちょっとしたお話など

ついでに、不定時法の話など、ちょっと書いてみます

天文学的な各種計算

さて、二十四節気の時期を決めたり、それを、和時計のタイミングでつぶやいたりと、実際にはそれなりの「天文学的な計算」が必要となります。
当然、Bot の中でこういう計算を――しています。
ただ、自分で「開発」したものはほとんどなく、おおよそ、ほかの方の成果の上になりたっています。
まさに、トップページにあるように、「他人のふんどしも洗えばはける」というスタンスです。
以下にそれぞれ紹介させていただきます。

二十四節気の決定

もっとも基本となる、二十四節気の決定は、下記の『日の出・日の入りの計算』をもとに、その日の黄経から判断しています。
以前は、国立天文台 の、暦要項 のデータをそのまま使用していたのですが、Bot の中で計算する形に変更しました。
それなりにチェックはしていますが、もしかしたら、1日ずれるという事態も発生するかもしれません。

日の出・日の入・夜明け・日暮れの時刻

Bot 内部の天文計算は、『日の出・日の入りの計算』(長沢工著,地人書館)の記述をベースに行っています。
必要な時刻における、太陽の黄経・黄緯を算出し、赤経・赤緯への変換、地方恒星時と時角の計算、太陽の高度への変換、そして、太陽の高度が、日の出・日の入りの基準高度となる時刻を求めています
ただ、日の出・日の入りの基準高度は、ゼロ(地平線と一致)ではなく、太陽の見かけの大きさや、実際の位置より浮き上がって見える現象などを考慮して、太陽の中心が、地平線下、約、0.9度の位置に来たときになっています。
見かけの大きさを考慮しなければならないのは、日の出・日の入りは(太陽の中心ではなく)太陽の上端が地平線にかかったときとなっているからです。

具体的な、プログラムは、日の出・日の入り(+月の出・月の入り)のプログラム by C++で紹介しております。
以前は、『新こよみ便利帳 ver 1.2』(暦計算研究会編・恒星社厚生閣)に掲載された、日の出・日の入算出プログラムを、C++ に書き直したものを使用していました。
これも、併せて紹介しております。

これに加えて、和時計時報を得るためには、夜明け(明六つ)と日暮れ(暮六つ)の時刻が必要となります。
この計算も、上記のプログラムに含んでいます。
こちらは、「太陽の中心位置が地平線の下側、7度21分40秒に達した時」という定義で、そのままの角度で計算しています

月齢・月相の計算

節気さんシリーズのボットは、月に関して、「月齢」と「月相」をつぶやきます。
この数字は、いずれも、朔(新月の瞬間)を基準にしていますが、数字の意味が異なります。
月齢は、朔の瞬間からの経過日数を数えたもの。これに対して、月相は、朔の瞬間を0として、月と太陽の位置関係(角度で、0〜360度)を、28周期に変換したものです。
このため、月の形を直接反映するのは、月相の方になります。

いずれにしても、月と太陽の位置関係を知ることがポイントになります。
これも、前述の、『日の出・日の入りの計算』による位置算出に切り替えました。

ただし、「ただいま朔(新月)です」など、つぶやくタイミングは、国立天文台の発表データを使用しています。

日の出・日の入り、そして、夏至・冬至

今では、天文学的に定義されている、夏至・冬至ですが、一般に知られているように、夏至=昼間(日の出から日の入りまでの時間)が最も長い日、そして、冬至は、それが最も短い日というのは、間違いではありません
ただ、夏至=日の出が一番早い日、冬至=日の出が一番遅い日、あるいは、夏至=日の入が一番遅い日、冬至=日の入が一番早い日、と思われがちですが、実は、これは間違っています。

上の図は、東京における、夜明け・日の出・日の入・日暮れを、年間でグラフにしたものです。
あと、ついでなので、19地域分をまとめたグラフも準備しました。
各地の日の出グラフ
各地の日の入りグラフ
各地の日の入・日の入りグラフ
です。

さて、この図でわかるように、日の出が最も早い/遅い日は、夏至・冬至からずれています。また、日の入についても同じです。
よく見ると、12月の始めがもっとも日の入が早い頃で、秋の終わりは、冬至の頃と同じような時刻に日の入りになることがわかります。
なるほど、「秋の日はつるべ落とし」です。

一方で、冬至からそれほど間のない、年始の頃は、10月始め頃と同じような時刻に日の入りがあります。
よく、「年が明けると、昼が長くなる(実感としては、日暮れが遅くなる)」というのも、実情にあっているわけです。

「夜明け」「日暮れ」と、「日の出」「日の入り」

ここでご紹介している Bot たちは朝夕に、「明六つ・夜明け」「暮六つ・日暮れ」という表現をつぶやきます。一見、「日の出」「日の入り」の時刻をつぶやいているようですが、実は、この時刻は、日の出や日の入りの時刻とは約30分ずれています。

実は、日の入りからもしばらくは空は明るいですし、日の出の前にも空は既に明るくなっています。Botたちがつぶやく、夜明けや日暮れは、この、「明るくなり始めたとき」であり、「暗くなったとき」なのです。

この時刻が、それぞれ、おおむね、日の入りから30分後、日の出前30分に相当します。
国立天文台では、具体的に、太陽の中心が地平線の下側、7度21分40秒に達した時と定義しており、Botたちもこの時刻を基準につぶやいております。
(実際には、その基準で出したデータをもとに時刻計算をしています)

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