【エリカ】  ほしの夜には、君を追いかけて行こう  君の表情を、残らず書きとめたくて、  スケッチブック抱えて、だれも歩かない街角を  ほしの夜には、君を訪ねに行こう  君のことばを、残らず書きとめたくて、  ノート抱えて、誰も知らない街角を  だれだか知らない君の、泣き顔、そして笑い顔  どこだか知らない国の、君の切ない思い出話  ほしの夜には、君を探しに行こう  本当の君を、しっておきたいものだから、  ときにはなにももたないで、  風だけが行く街角を
 【恋愛の練習】  スポーツをやっている人は、必ず、練習なんてのをやります。  人間は、もともとスポーツをするようにはできてないからかもしれません。  2週間寝かしておくと、歩けなくなるほど、足が退化する人間。  「2足歩行」なんて、人間は、歩くようにもできてないんですね。  ひょっとしたら、人間は、「恋愛」向きにもできてないかもしれません。  あなた、恋愛の練習って、やったことありますか?   1日に3個彼氏(彼女)の気に入ったところをあげて、「好きだよ」とつぶやく   その後、1個彼氏(彼女)の嫌いなところをあげて、「べー」してください。  今日も、いい、笑顔になれます。
 【ウソとホント】  ぼくが、「アナタがスキ」と言ったのは  ウソなのかもしれません。  だって、  ぼくはあなたのことを  何も知らないのですから  でも、  何も知らないあなたに  「アナタがスキ」と言ったのなら  もしかしたら、ホントかもしれません。
 【無題】  「最近ね……」  ぼくの−−恋人ではない−−彼女が言うには、  独り言が少しだけ増えたのは、いい兆候だそうだ。  気がつくと、そこにいないというのは、いい兆候だそうだ。  歩きながら、「西脇唯」をくちずさんでいるのは、いい兆候だそうだ。  ぼくの−−恋人ではない−−彼女は、  最近「プレゼント」を物色しているということだけれど……
 【ふたごのき】  今日はいやに静かだね。  きっと、誰かのことが心配なんだよ。  寒そうだね、雪が積もっている。  あら、きれいな雪の着物だわ。  何かが通り過ぎていったよ  よかったね、元気になったんだきっと、  なにが?  通り過ぎていった「何か」のことさ。  ここは涼しいね  そう、葉っぱがこんなに茂っている  お日様が好きなんだよ  ふふ、欲張りね。だからここはこんなに涼しいんだわ。  何かがやってきたよ  今年も眠りにきたのかしら  もうすぐ落ち葉が積もるね  そうしたら、また来年まで眠ると良いわ  (おまけ)  参考資料『ふたごのき』(写真:姉崎一馬,文:谷川俊太郎) ^^;  おい、それじゃ盗作じゃないか ^^;  失敬な、盗作じゃ無いぞ。第一、視点が逆だ。  そう言うもんかね。  そう言うもんだよ
 【今は昔の……】  湖の見おろせる丘にひとり  ぼくは、傷だらけだった君を思い出す。  ぼくの知らないところで、君は傷ついていたから、  君を抱き上げることすらできなかった。  けれど、ぼくは覚えておくことにしよう。  なにひとつできなくても、  思い出すことくらいなら、ぼくにだってできるから。  きっと、ぼくの知らないあの日、  傷だらけで湖を見ていた君を。

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Nagi -- from Yurihama, Tottori, Japan.
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