探し隊・出動!

「もしかしたら、七不思議かもしれないよ」
「何が?」
「屋根に上がる靴」
「何の話? 早く探そうよ」
「だから、屋根だって、ほら」
「あ、本当。あったね」
「うん。やったね」

さて、このお話は、こうして始まりました。
同じクラスのほのかが靴をなくしたのです。
それを知った、梨花が「探し隊」を結成しました。もっとも、最初はひとりだけでしたけど。
「梨花ちゃん? 何してるの? うろうろして」
「あ、ほのちゃんが靴をなくしたでしょ。探しているの」
「探している?」
「うん」
「頼まれたの?」
「ううん。なんか、楽しいでしょう? なくなったもの探すって」
そうして、夢乃まで加わったところで、屋根に乗っかっている靴が見つかったわけです。

「でも、誰だろうね? 靴なんか隠したの」
「う〜ん。貧乏で靴を買ってもらえなかった女の子の幽霊」
「ちょっと、なんでそっち方面に行くわけ?」
「じゃ、子供たちが楽しそうなのが気にくわない、靴隠しおばば……とか」
「知らないよ? なにそれ?」
「今考えた。いいじゃん、靴出てきたんだから」
「そうだね」

次になくなったのは、梨花の帽子でした。
「何? 探し隊の隊長が帽子なくしちゃったの?」
「う……うん、めんぼくない。でも、また探すからさ」
「うん。手伝ってあげる」
「私も手伝う」
「ありがとう、ほのちゃん」
「だって、助けてもらったもの」
「ところで、花梨ちゃん、いつもの帽子だよね、青い」
「そうそう」
「じゃ、今度帽子隠したのは、かわいい帽子が気にくわない、帽子隠しおばば?」
「そうねぇ。もしかしたら、青い色が嫌いな男の子の幽霊」
「なんでよ」
「だって、あそこに……」
「え? あ、もしかして、帽子?」
「そんな気がするけど――あそこはちょっと……」
「男子トイレね……。あ、ちょうどいい。涼君、あの青いの何か見てきて」
「え? おれ? なんで」
「いや、ちょうど通りがかったから」
「見てきてくれるよね?」
「あ……しょうがないな」
こうして、梨花の帽子も出てきました。
「そうそう、涼君。あんたも探し隊に入ってね」
「何だよそれ」
「なくなったものを探すの」
「いやだよ」
「ね、お願い」
「あ、あ、まあ、いいよ」
「決定!」

その後も、ノートがなくなったり、体操服がなくなったり、そんな事件がありました。
そのたびに「探し隊」が活躍します。
そして、どういうわけだか、何かを探すたびに「探し隊」が増えていくのです。
涼が、たまたま玄関にいた哲生を誘い、梨花たちも、そのたびに女の子たちを誘い。
そうやって、探し隊は増えてゆきました。

「やほ、夢ちゃん」
「あ、おはよう、梨花ちゃん」
「この頃、探し隊もいらなくなっちゃったね」
「うん、何もなくならないし」
「やっぱり、幽霊たちとか、いなくなっちゃたのかな」
「そうだよね、きっと」
「うん、そうだよね」
「そうそう」
「何かなくなったりしたら、また、みんなで探せばいいよね」
「うん」


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Nagi -- from Yurihama, Tottori, Japan.
E-mail:nagi@axis.blue