この駅で君は、 一晩を過ごした。 そこだけが明るい、田舎の駅で君は 一晩を過ごした。 幾度かまどろみ、 そして、幾度かめざめて。 君がホームに立つ頃、 世界は朝であった。 ------------------------------------------------- 彼女に関するほとんどあらゆること 名前・年齢・アドレス・TEL、 職業・趣味・容姿・髪型 みんなまとめて、袋詰め。 春ですね。 桜の木では、少々派手すぎるから、 まだ早い、ポプラ並木にでも、埋めたなら、 訪れる度、何かを思い出しそうになることでしょう ------------------------------------------------- 好きだった彼女から 「あなたの存在自体が迷惑だ」 と手紙が来たので、 「お互い様」 と返事を出した。 それを受け取って、 きっと彼女は、笑いころげるだろう。 ------------------------------------------------- この街であなたは眠る 私の夢を見ながら この街であなたは目覚める 朝の光の挑発に乗る この街をあなたは歩く 私の幻に寄り添いながら この街であなたは出会う それは、きっと私じゃない。 ------------------------------------------------- この駅で君は恋人を待つ 朝のひととき、待ち続けるのは良くないから、 ジャスト4分30秒 君は歩き始める ------------------------------------------------- 過ぎて行く季節の中で ぼくはきっと、君の名前を忘れる。 過ぎて行く季節の中で 印象だけが残る頃には ------------------------------------------------- 1ヶ月後なら、 忘れるための努力が必要です。 10年後なら、 覚えておくための努力が必要です。e